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プロジェクトストーリー確定申告システム 税助

新卒採用プロジェクトストーリー確定申告システム 税助
私たちエイチ・アイ・ディ(HID)は、創業以来、道内各地の行政サービスの効率化と住民サービスの向上に尽力し、地域に根差したシステムづくりを目指してきました。
ここでは、当社のパッケージシステムの一つである「税助」が完成するまでの道のりをご紹介します。

Episode01

税助開発の幕開け

「税助」とは、自治体向けの税関連パッケージシステムで、確定申告や住民税・所得税などの計算をサポートし、業務のデジタル化を推進している。この案件の中心となったのは、自治体プロジェクトの住民税チームだ。チームは当社の社員4名と、パートナー企業のメンバー4名で構成されていた。
当時、既存の確定申告システムは旧世代の小規模データベース管理ソフトで構築されていたが、技術の進化に伴い古くなってきていた。
そこで、新たにWEBシステム化する話が持ち上がり、係長の積極的なサポートも受けてキックオフが実現した。初年度は「税助」の前身となる国税連携システムを開発するも、お客様の意見も踏まえた課題が浮き彫りとなり、改善に向けた取り組みが必要とされた。そして、翌年度からいよいよ「税助」の本格的な開発が始まった。

Episode02

"お客様の業務に適合する"理想のシステムを描く

これまではパッケージシステムの仕様に合わせて業務運用を考えることが主流だったが、「税助」の開発にあたってはお客様の業務の流れや方法に適合するパッケージシステムを作ることを目指した。一から新しいシステムを作り上げるのは難しいが、既存の確定申告システムを基に使いやすさを追及する改良はできると考え、「当社のシステムに足りないものは何か」、「お客様が使いづらい点は何か」という視点で設計を進めた。
「きっとお客様はこういった紙を持って、こう並べて仕事をしているはずだ」
「それならシステムの画面はこうやって遷移した方が使いやすいだろう」
社員4人でお客様の業務を想像し、何度も何度もホワイトボードの前で議論を重ね、一つの案へと纏め上げた。

Episode03

意見の融合から生まれた最良案

その後、考え抜いた案をパートナー企業のメンバーにも共有した。私たちはこの案が最良だと思っていたが、パートナー企業のメンバーから意外な意見が出てきた。
「こんなに多くの機能を盛り込む必要はないと思います。逆に使いづらくなる可能性があります。」
実際に私たちは自社のシステムしか知らなかったため、その方の経験に基づく意見には納得する部分が多くあった。そこから何日もかけてより良い案に仕上げていく作業が続いた。この案件の中で最も骨の折れる作業だったが、チーム全員士気が高く、一体感があった。
お互いの足りないところを補完し合う姿勢が強く、誰もが責任を持って役割を果たしていた。

Episode04

プロジェクトの垣根を超えた協力により、
従来の堅いイメージを打破

システムが形になってきた頃、社内でシステム名を公募し、「税助」という名前が選ばれた。税金を助けるという意味が込められている。
さらに、”自治体の税関連システム=堅い”というイメージを払拭するために、当社のWEB開発プロジェクトに依頼し、画面に登場する親しみやすいロゴやキャラクターを制作した。当時はまだ縦割りの組織文化が残っており、プロジェクトの垣根を越えて協力するのは初めての試みだったが、この取り組みによって”自治体の税関連システム=堅い”という従来のイメージを覆し、完成から十数年経った今でも新鮮に感じられるシステムに仕上がった。

Episode05

税助導入と成長の軌跡

こうして多くの人々の力を借りながら「税助」は完成した。ファーストユーザーである自治体への導入立ち合いは非常に緊張したが、使いやすさを評価していただけた際にはこれまでの努力が報われた気持ちだった。その後も継続的に「税助」の改良を重ね、25団体以上に導入されるまでにシステムは成長した。その過程で、「これは本当に業務を理解して作られたシステムだ」というお褒めの言葉をたくさんいただいた。
エイチ・アイ・ディは大規模な企業ではないからこそ、意見が通りやすく、自分たちの裁量を持つことができる。「税助」の開発においても、多くの意見を反映させ、組織一丸となって作り上げてきた。徹底的に考え抜き、周囲の力を借りながら最高のシステムを作り上げる。
これがエイチ・アイ・ディの強みであり、「税助」開発の成功を支えた要素である。

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